不妊症・不育症不妊症・不育症 Q&A

健康だったら「不妊」は関係ないの?

4~5組に1組のカップルは不妊の可能性があります。

不妊症のカップルの割合は年々高まっています

正確な統計がありませんが、「不妊ではないかと心配したことがある夫婦」は39.2%で、夫婦全体の約2.6組に1組の割合になります。実際に不妊の検査や治療を受けたことがある(または現在受けている)夫婦は22.7% で、夫婦全体の約4.4組に1組の割合になります(2021年、国立社会保障・人口問題研究所「社会保障・人口問題基本調査(出生動向基本調査)」。以前は、よく、不妊症のカップルは10組に1組と言われていましたが、その割合は年々、高まっています。それには、結婚年齢、出産年齢が高くなってきていることが影響しています。

卵子の数は年齢とともに少なくなるって本当?

卵子の数、ピークは胎児の頃

胎児の時期が最も多く、年齢を重ねるとともに減っていきます

卵子は、女性が生まれる前から作られ、休眠状態で卵巣の中にあります。胎児の時期が最も多く、その数は700万個。しかし、その後は卵子が新たに作られることなく、年齢を重ねるとともに減っていきます。年齢が高くなるにつれて徐々に卵子の質も低下(いわゆる老化)が進み、妊娠率が下がるとともに、胎児の染色体異常の発生率も上昇します。

女性の年齢とともに変化する卵子の数
女性の年齢の変化による卵子の数の変化
体外受精の成功率は100%??

妊娠率は高いけど、100%ではありません。しかも、それは・・・・

女性の年齢が高くなるとともに妊娠率は低下します

2022年に国内で行われた体外受精のデータを見ると、体外で受精させた受精卵(胚)を1個、子宮に戻した(胚移植)時の妊娠率は約35%でした。ちなみにタイミング法や人工授精では1回あたり5〜10%と言われています。勿論、その身体的、経済的な負担は大きく違いますが、1回あたりの治療という視点で比較すると、妊娠率が高い治療法と言えます。
しかし、100%ではありませんし、グラフを見るとわかるように、女性の年齢が高くなるとともに妊娠率は低下します。また、妊娠しても流産する率も高くなっていきます。
2022年4月に体外受精が保険適用となり費用負担が少なくなったこともあり、若いカップルが体外受精を受けることが多くなりました。このため、全体で見ると、今後、体外受精の妊娠率も少し上昇する可能性があります。

女性の年齢と体外受精での妊娠率・流産率
女性の年齢と体外受精での妊娠率・流産率のグラフ 出典:日本産科婦人科学会 2022年ARTデータブック
不妊は女性だけの問題?

約50%は男性にも原因があります

実は精子も老化する

精子は約2ヶ月半かけて精巣内で作られます。精子の数は年齢を重ねるとともに減っていきます。また精子の状態は、ストレスや不適切な生活習慣によっても悪化します。さらにDNAが損傷した精子が増加した場合、妊娠初期の流産が増加する可能性も指摘されています。

考える青年のイラスト
男性の年齢と妊娠率
女性の年齢と体外受精での妊娠率・流産率のグラフ 出典:Hassan and Killick:Effet of male age.Fertil Steril.2003;79 Suppl 3:1520-1527

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