妊娠をしない不妊症
「不妊症」とは、⽣殖年齢の男⼥が避妊せず定期的に性交を行っているにもかかわらず、1年以上妊娠しない状態です。 また、1年たっていなくても、もともと妊娠しにくい原因があり、それに対する治療が必要な場合は「不妊症」として治療を始めます。 不妊症の原因は様々で、プレコンセプションケアが十分にできていない場合も妊娠しにくくなることがあります。 不妊症は女性に原因があると思われがちでしたが、男性にも原因がある場合が多く、その割合は男女半々です。
不妊症の治療
タイミング法
妊娠しやすいタイミングを予想して、その日に性交を行う方法です。ただし、排卵があり、かつ精液検査の結果に問題がない場合でないと妊娠しません。
基礎体温が二相性(低温期と高温期がある)の場合は低温期の最後の日に合わせて性交を行います。排卵日を見つけるキットも売られています。
人工授精
排卵の日に合わせて、パートナーの精子を子宮内に注入する方法です。できるだけ多くの精子を卵管に近いところまで入れます。受精から妊娠までの過程は自然妊娠と全く同じです。
体外受精・顕微授精と
胚移植
麻酔をかけて、体内にある卵巣に針を刺して卵子を取り出し、体外で精子と受精させる方法です。培養器の中で受精し発育した良好な受精卵(胚)を子宮内に移植します。
通常法では卵子に精子を振りかけますが、顕微授精では、顕微鏡で確認しながら細いガラス針の先端に1個の精子を入れて卵子に直接注入します。
不妊治療は費用や体への負担、仕事との両立、ワーク・ライフ・バランスを考えて進める必要があります。
知っておきたいシリーズに詳しく記載しています。是非ご覧ください。
カップルのみでは子どもが持つことができない場合には
他の人の力も借りて子どもを持つ様々な方法も…
日本でもルール作りが議論されています。
卵子提供
卵子提供者(卵子ドナー)の卵子とパートナーの精子とを体外で受精させて受精卵(胚)を作り、それを子宮に移植して妊娠を期待します。
精子提供
無精子症(精液内や精巣内に精子がいない状態)や、精子に受精能力がないと診断された場合に、精子提供者(精子ドナー)から提供された精子を使用して不妊治療を行います。
里子・里親と養子・養親
「里親制度」は、育てられない親の代わりに一時的に子どもを預かって養育する制度のこと。
一方、「養子縁組」は民法に基づいて法的な親子関係を成立させる制度で、養親が子の親権者となります。実子に近い安定した家庭を持つための制度です。