妊娠をしない不妊症
「不妊症」とは、⽣殖年齢の男⼥が避妊せず定期的に性交を行っているにもかかわらず、1年以上妊娠しない状態です。 また、1年たっていなくても、もともと妊娠しにくい原因があり、それに対する治療が必要な場合は「不妊症」として治療を始めます。
不妊症の原因は様々で、プレコンセプションケアが十分でない場合も妊娠しにくくなることがあります。
不妊症は女性に原因があると思われがちですが、男性にも原因がある場合も多く、その割合は男女半々です。
不妊症の原因
男性も女性も年齢とともに妊娠しにくくなります。
女性側の原因
- 排卵の異常
- 卵管の異常
- 子宮頸管の異常
- 子宮の異常
- 性交の障害
- ホルモンの異常
など
リスク因子の例
- 年齢が40歳以上
- 無月経などの月経周期の異常がある
- 骨盤内炎症性疾患(上部女性生殖器の感染症)の病歴がある
- 子宮筋腫や子宮腺筋症などの病歴がある
- 子宮内膜症の病歴がある
- 卵巣の手術歴がある
- 抗がん剤あるいは放射線治療をしたことがある
など
男性側の原因
- 造精能(精子を作る力)の異常
- 精子の通過障害
- 性交の障害
- ホルモンの異常
など
リスク因子の例
- 年齢が40歳異常
- 精巣の手術歴がある
- 成人でおたふく風邪(流行性耳下腺炎)を発症した
- 勃起不全などの性機能障害の病歴がある
- 抗がん剤あるいは放射線治療をしたことがある
など
不妊症の検査
女性側の検査
- 内診・経腟超音波検査
- 子宮卵管造影検査
- 血液検査(ホルモン値、クラミジア抗体など)
- 腹腔鏡検査
など
男性側の検査
- 診察
- 精液検査
- 血液検査(ホルモン値など)
など
不妊症の治療
タイミング法
妊娠しやすいタイミングを推定して、その日に性交を行う方法です。ただし、排卵があり、かつ精液検査の結果に問題がない場合でないと妊娠しません。
基礎体温が二相性(低温期と高温期がある)の場合は低温期の最後の日に合わせて 性交を行います。排卵日を見つけるキットも売られています。
人工授精
排卵の日に合わせて、パートナーの精子を子宮内に注入する方法です。できるだけ多くの精子を卵管に近いところまで入れます。受精から妊娠までの過程は自然妊娠と全く同じです。
体外受精・顕微授精と
胚移植
体内にある卵巣に針を刺して卵子を取り出し、培養液の入ったお皿(ディッシュ)の中で精子と受精させる方法です。そのあと、培養器の中で発育した良好な受精卵(胚)を凍結保存します。次の月経周期以降に融解(解凍)した胚を子宮内に移植します。凍結せずにそのまま子宮内に移植する場合もあります。
受精に関しては通常法では卵子に精子を振りかけますが、顕微授精では、顕微鏡で確認しながら細いガラス針の先端に1個の精子を入れて卵子に直接注入します。
不妊治療は費用や体への負担、仕事との両立などを考えて進める必要があります。
知っておきたいシリーズに詳しく記載しています。是非ご覧ください。
カップルのみでは子どもが持つことができない場合には
他の人の力も借りて子どもを持つ様々な方法も…
日本でもルール作りが議論されています。
卵子提供
卵子提供者(卵子ドナー)の卵子とパートナーの精子とを体外で受精させて受精卵(胚)を作り、それを子宮に移植して妊娠を期待します。
精子提供
無精子症(精液内や精巣内に精子がいない状態)や、精子に受精能力がないと診断された場合に、精子提供者(精子ドナー)から提供された精子を使用して人工受精や体外受精を行います。
里子・里親と養子・養親
「里親制度」は、育てられない親の代わりに一時的に子どもを預かって養育する制度のことです。
一方、「養子縁組」は民法に基づいて法的な親子関係を成立させる制度で、養親が子の親権者となります。実子に近い安定した家庭を持つための制度です。